About Dudhauli Quilt ドダウリキルトの紹介

2013年4月、ドダウリ村でキルトづくりが始まりました

フィリピン・セブにあるカオハガン島で20年間、キルト作りを指導してきた吉川順子さん。彼女を講師として現地にお迎えし、ネパールのドダウリ村でキルトづくりが始まりました。
ネパールの農村部には仕事がなく、またカースト制や女性差別の文化が根強く残っています。村の女性たちが一緒にキルトをつくるなかで、手仕事の楽しさやキルトをデザインするよろこびを共有でき、そして生活費や子どもの教育費の助けになれば…。
そんな思いで、私たちはこのプロジェクトをスタートさせました。

できあがったキルトはTIFAのメンバーの手で販売され、その売上は輸送費などの経費を除いて全額がキルターと村のコミュニティに還元されています。

10日あまりの期間でしたが、吉川さん(前列左端)の思いがしっかりと伝わりました。
ハサミや針を手にしたことがない人も。まずは簡単な図形を「切る・縫う」ことから。
村で買った布を洗うと水が真っ赤に。色落ちの少ない布を選び、キルトに用いることに。
吉川さんがネパールの「影絵」をヒントにしたオリジナルの手法について説明しています。
さっそくキルト制作に取りかかった女性たち。作業は「キルト教室」で行っています。
できあがったキルトを洗い、干します。 記念すべきドダウリキルトの第一作目です。
吉川さんが帰国後、さっそく二作目のキルトができあがりました。 ピースワークという手法を取り入れています。

ドダウリキルトの特色

フィリピン・カオハガン島で生まれた「カオハガンキルト」の指導者である吉川順子さんが、ネパールの地でキルトづくりをスタートさせるにあたって考えたことは、カオハガンキルトとはまったく違った、ネパール独自のキルトの世界を新しくつくりあげることでした。

■カオハガンキルト

カオハガンキルトに学んだこと
●生活や自然を題材に、自由な発想でデザインすること。
●型紙などを使わずに、多少のズレやゆがみは気にせずに縫っていくこと。

■ドダウリキルト

ドダウリキルトのオリジナリティ
●ミティラ・アートやヘナ・タトゥーに影響を受けた、形象的な図案とシンプルな色使い。
●影絵や切り絵のように、一回で図柄を「一筆書き」のように切り抜く手法。
キルト制作に先立って、支援者がドダウリ村を訪問。村の女性たちにカオハガンキルトの作品を見せながらキルトづくりについて説明を行いました。

新しいキルトのデザインのベースとして吉川順子さんは、ドダウリ村がある地域で昔から女性たちの手によって壁画として描かれ、近年はインド美術の影響を受けた色彩ゆたかな絵画として知られるようになった「ミティラ・アート」に注目しました。さらに東南アジア各地に伝わる「影絵」の手法や、「ヘナ・タトゥー」と呼ばれるボディ・ペインティングの図案などをエッセンスとして取り入れ、ドダウリキルトの第一作めができあがりました。

現地に伝わる「ミティラ・アート」という壁画。
絵画作品の「ミティラ・アート」からも影響を受けています。
吉川さんがドダウリキルトのために制作した「お手本」。
最初の作品。独特の作風がすでに見て取れます。